千代菊のある羽島市は濃尾平野のほぼ中央に位置し、木曽川・長良川・揖斐川により形成された平野で、 とても肥沃な土壌が広がっていて、現在でも稲作をはじめとする農業が盛んに行われています。 冬は乾燥した晴天が続き、『伊吹おろし』と呼ばれる冷たい風の影響で気温は低く、酒造りに適した環境が整っています。
千代菊では、濃尾平野の豊富な水資源である清流・長良川の伏流水を地下128mから汲み上げ、仕込み水に使用しています。 これはとても軟水で、酵母や醪の発酵がおだやかになり、優しい味わいのお酒に仕上がります。
千代菊では、有機農法で育てられた米を使用した日本酒作りにも取り組んでいます。 有機農法は、科学的な手をいっさい加えず、植物の本来の力を活かす農法で、日本酒も、酵母や麹などの生き物が造ってくれる アルコールによって完成します。ごく自然な取り組みとして、千代菊は有機米を原料とした酒造りにこだわり続けます。
1998年より地元のアイガモ農法による有機米の栽培農家とともに「羽島体験プロジェクト」を立ち上げました。この「羽島体験プロジェクト」は、農作業や酒仕込み作業の体験イベントです。大地や太陽、風を感じて、自然との調和や共存を考える機会にしていただきたいという想いで毎年開催しております。
お酒は、口から体の中に入り、体の一部になると同時に、心の一部にもなるものです。 喜びを倍加し、悲しみを別つ。脇役ですが、無くてはならぬ存在。それが酒です。 千代菊は『平凡の銘酒』を標榜しています。 これは、親友とか家族のように、 ごく自然に身の回りにあって違和感無く普通に愛される酒。 また、酒造においての気の遠くなるような努力を誇示することなく坦々と当然の事としてやり続ける意志を、意味しています。
「自然を友に」 この言葉に3つの思いを込めています。
【一】羽島の自然を友にする 酒造りに最適な自然が羽島にはあります。 私たちはこの自然と一緒に、この地を活かす酒を、そして、この地の人のための酒を醸します。
【二】酒造りの原点として自然を活かす お酒を造るのは「麹(こうじ)」と「酵母」で、私たちにできることはそれらが働きやすい環境を作ってやることなのですから、 私たちの仕事は、まさに自然を活かし、その恵みに感謝する事です。 私たちは、原酒と対話を繰り返し、原酒の望む方向を見極め、原酒がさらにおいしい酒になるように育てていきます。
【三】さらなる自然の力を引き出す人の和の力を大切にする 羽島には大地の力をさらに高め自然の摂理を活かした農作物の育成に全力を注ぐ「人」がいます。 おいしく体に優しい自然な食材をさらに高める人の和こそが、私たちの最大の財産であると思っています。